「伯母の訃報」



今、父と主人と三人、滋賀県のとあるビジネスホテルにいます。


伯母が他界しました。享年83歳。




昨日「6月9日午後11時半頃」だったらしい。

肺炎で入院してから約二ヶ月ちょい。
もう危ないかもしれない・・・といって一週間。



最期を看取ることは出来なかったけど
伯母の安らかな顔を見て安心した。
これでもう苦痛から解放されたんかな?
やっと静かに眠れるんやね。



伯母は我慢強く、頑固で、優しい人だった。

私の母の姉で、厳しい母からいつもかばってくれていた。
母が死んでからもいつも気にかけてお総菜など
作ってもってきてくれたりもした。


生涯結婚することのなかった伯母。
大きく裕福な商家の娘でしっかり者の長女。

商売上手の実母が早くに他界し、家のことは全部切り盛りしてきた。
戦後のあわただしい世の中で
病気で母親を亡くした甥二人の面倒をみて適齢期を過ごす。


きっとみんなほったらかしでいては、結婚など出来なかったんだと思う。
私の母が娘盛りの時・・・結核になる。
10年という長い間、生駒の山奥で闘病生活を支えてくれたのも伯母だった。

母親代わり・・という肩書きは
果たして伯母の人生を幸せにしたのだろうか?
今となってはもう質問することもできないけど・・・・。

昔、一週間に一度、伯母を連れて外食をしていた頃を思い出す。


だんだん小さく曲がってくる背中は年を感じさせていたけど、
いつも感謝の言葉を並べ、幸せそうに笑っていた。
私がアメリカに行くとき、心配しすぎて涙を流して見送ってくれた。

後悔なんか山ほどあるし
言いたかった言葉、聞きたかった言葉は海ほどある。

今は伯母の冥福を祈って・・・・とにかく眠りたい

コメント

  1. otto より:

    ご愁傷さまです。
    謹んでご冥福をお祈りします。

    でも、卯月さんや他の皆さんの心の中に思い出がある限りその人の「本当の死」は来ないと思っています。

    誰かがその人の事を思い出しているとき、その人はその思い出している人の心の中に生き返っていると思うのです。

    私も、早くに父を亡くしましたが、今も時々父を思い出します。

    そんな時に父は私の中で甦っているのです。

    いつの日か子供達にも父の事を話そう、とも思っています。

    そうやって思い出を語るたびにその人は甦るのです。

    卯月さんも折に触れて伯母さんの事を思い出してあげて下さい。

    そして伯母さんを心の中に甦らせてあげて下さい。

    それが一番の孝行だと思います。

    長文コメント失礼しました。

  2. meg より:

    ご冥福をお祈りします
    卯月さんの文章を読んで、私は祖母を思い出しました。
    生前は歳をとるごとに頑固になる祖母に、なぜかあたられ、
    私が独立してからは、家族中、親戚中が手を焼いたそうですが、
    今思えば、満州で父たち3兄弟を産み、あの混乱の中、息子を一人も残さず
    全員つれて引き上げてきた祖母の気骨、頑固なのは
    その強さからきたものだと思い、わかってあげられなかった
    若き日の自分に後悔しています。

    でもottoさんもおっしゃってるように、祖母のことを思うときは
    私の思いの中で生きているんだと私も思います。

    祖母の気骨を受け継ぎたいと、最近とくに思うようになりました。
    いつまでも私の誇りにしたいと思っています。

    伯母さまのご冥福をお祈りいたします。

  3. marutyann-2008 より:

    ご冥福をお祈りします。
    精一杯生きられた伯母様はどのような気持ちで入院生活を過ごされたのでしょうね。
    色んな人に愛されて、慕われて幸せな人生だったと振り返り、亡くなられたのであれば、卯月さんの気持ちはぐっと楽になるのでしょう・・
    我が子のように卯月さんを可愛がられ、大人になった卯月さんに感謝をし、母親代わりという気持ちもいつの間にかなくなって、いつしか本当の母親のような気持ちで育てられていたのかも知れません。

  4. 愛知の卯月 より:

    Unknown
    伯母様のご冥福をお祈りします・・・。

    卯月さん、大丈夫ですか?
    こういう時って、ああすれば良かった、こうすれば良かったって後悔の思いだけが溢れてしまうと思うのですが、
    楽しかった想い出もたくさんあると思います。
    卯月さんの言葉や行いで、伯母様が幸せを感じられた瞬間がたくさんあると思います。
    逆に、伯母様の言葉や行いで、卯月さん自身が幸せを感じた瞬間もいっぱいあるでしょ。

    「孤独とは ただ失う 空虚な物などでは無くて
    出会った人の愛や言葉を忘れてしまう事。」
    私の好きな言葉(歌詞)です。

    どうか、伯母様とのステキな想い出を大切にして下さい。

  5. 卯月 より:

    みなさんありがとうございます。

    ottoさんへ

    そうですね。
    今は思い出がたくさんあることをとても幸せに思います。

    あの世できっと母と共に
    見守っていてくれるんだろうな・・。
    そう思うと少し楽しくなりますね
     
    megさんへ

    ありがとうございます。
    気骨ある老人の背景に歴史という偉大なものが
    のっかっていると思うと
    お年寄りは大事にせねば・・と思います。

    特に戦争経験者の方達には畏敬の念を感じます。
    もっといろんなお話をきけたらよかったのに・・・と
    悔やまれますが、私と伯母の思い出は
    ずっと心に残りそれがすごくありがたいことですね。

    marutyann-2008さんへ

    伯母の心情は・・幸せであったと思いたいです。
    従兄弟たちの暖かい庇護できっと楽しかった・・と。

    私自身はやり残したことがたっぷりありますが、
    伯母と一緒に楽しい思い出が作れて本当によかった。

    伯母の人生と関わることが出来て本当に嬉しかったです。

    愛知の卯月さんへ

    ありがとうございます。
    心配おかけしてしまって・・。

    伯母の死に顔を見ると安らかな子供のような顔で
    あまりにも安らかすぎて涙が溢れてきました。
    ああ、これで楽になったんだ~と実感出来ました。

    伯母のしわしわの手を触ったことが
    つい昨日のことのように思えました。
    思い出ってほんとその人の存在を生き返らす
    唯一の手段ですよね。

    これからもずっと伯母の事を思い出し、
    きっと幸せだった日々を楽しむことが出来ると思います。

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