京都二泊旅 其の六 本章 「高台寺 和久傳(わくでん)」

序章はこちらへどうぞ

一日目の京都は強めの雨でした。
祇園で和スイーツを食べて、しばらく歩き足元が冷たくなってから
ようやくホテルへ戻りました。

夕食の予約時間は「18:30」でしたので、
それまではのんびりと休むつもりでしたが、
これまた予約していたカツサンドをもらいにタクシーへ乗り込んだりと
意外とバタバタしちゃいました(笑)。

ホテルオークラから「高台寺和久傳」までは
約15分ほどで到着しました。
途中はさすが、高台寺・・・・門構えのすごい料亭や屋敷の数々・・。
それらをすり抜けると各々の料亭の看板が一斉に矢印を向けていました。

↓夜には写真が撮りにくいので昼間車で訪れてみました(画像1)和久傳の正面






タクシーの運転手さんが夜の細道のせいか、
あれ?ここだっけ?ここだったと思うけどなあ・・
と不安そうにおっしゃるので、
お店に電話をかけ、確かめることに・・。


やはり運転手さんの仰るとおりでほとんど店の側まで来ていました。
電話を切ると同時に・・ふとタクシーの外を見やると、
着物を着た女性が傘を持って立っています。


え??まさか・・もう迎えにきてくれたの??

電話を切った時にはすでにその仲居さんはタクシーの側で待っていたのです。
なんて素早い行動・・・かなりびっくりしました。

「足元お悪い中、ようこそおいでやす」

優しく声をかけて頂いてほっとしました。

石畳を通り玄関はほの暗い灯りに包まれていました。
仲居さんが二人が膝をついてお出迎え。
もう二人が後ろから傘をさしてくれていました。

階段を上り案内された部屋は8畳ほどだったかな?
落ち着いた雰囲気の渋い和室でした。
私は入るとき、鴨居に頭をぶつけちゃった・・・<経験不足>

窓からはお庭の木々が見え、床の間には掛け軸、小さな生け花が。

席は掘り炬燵なので足が楽チンです。
さて写真でも・・・と主人が青ざめた様子でデジカメをいじっています。


「・・・・・・・・カード入ってない」


「え?」

そう、SDカードをPCに入れたまま、ホテルに置き去りしてきたのです。
これは大失敗・大失態。
主人は「タクシーで買いに行ってくる」とはちゃめちゃな意見を。

いいよ、もう携帯で・・・」と制止する私。

主人「いや・・・あ、そうや店の人に頼もう・・・・

卯月「え????お遣い頼むの?

主人「そう、そのくらい大丈夫やって・・料亭だからね。

卯月「こんな雨の中、気の毒じゃない?仲居さん

主人「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」


もちろん頼み事を快く引き受けてくれると思いましたが、
さすがに雨の中走らされる仲居さんを考えるとかわいそうになり、
やはり「携帯カメラ」という手段を選びました。


だから今回は「画像不鮮明」でございます。

(>_<)申しわけありません。
ほんとに美しい料理の数々だったのですが、限界がありました。


床の間


隣の部屋のお客様が「囃子方」を呼ばれていて、
「笛の音」「長唄」「鼓の音」など次々に披露され、
私の部屋でも充分すぎるほど堪能出来ました。

仲居さんに聞くと、これはものすごくラッキーなことらしい。
滅多に囃子方を呼ぶお客様はいないらしいのです。


和久傳調製(オリジナル)竹酒。

これがもの凄くおいしい!!
まろやかで呑みやすくて滑らかで・・・・。
この竹筒に「3合強」入っていましたが、一人で全部飲んじゃいました。

仲居さんが毎度毎度上手に注いでくれるのでツイ・・・・


先付け

ミョウガの酢漬けが秀逸!
何せミョウガ嫌いの主人が「美味しい」と言葉を発したからね。


雲丹の茶碗蒸し

一見普通の茶碗蒸しだけど、底にはホクホクの栗がたっぷり敷き詰められ、
驚きました~。


雲丹の美味しさにも脱帽です。

仲居さんが「一人の青年」を連れて登場。
「これから焼き物の準備を致します」とのこと。
彼は焼き担当の料理人。
和久傳に来て3年の「静岡出身の青年」だった。
とても初々しい青年だ。

炭!!すごく立派!
なんて美しい・・・。



焼く前に素材を紹介してくれます。
左の大きいモノは「松茸をくるんだ丸々の鱧」。
松茸は「信州産」。

そしておなじみ「鮎」。
琵琶湖のものらしい。てっきり保津川の鮎かと思ったけど。


これらを火で炙る前に、もう一人男性料理人が登場。
粗塩を素材に均一にまぶすだけの人。

あの青年ではこの塩振りはできないようだ。
スゴイ徹底ぶり。



椀は白ネギが美しくて香りが最高のおすまし。
中には御豆腐が入っている。
蓋をあけるとネギの香りが食欲をそそります。



薄いレンコンとパプリカにこれでもかと胡麻がふりかけられています。
胡麻を味わうためのお野菜の一皿。
香ばしい香りと弾力ある胡麻が口の中でいつまでも残ります。

どのくらい主人と二人で話していたかな・・・。
お酒も手伝ってか、あっというまに時間が経っていた。

部屋の隅っこで焼くことに真剣だった青年料理人と
仲居さんが慎重に串から鱧を引き抜く。
そしてそれぞれのお皿へ盛り、ようやく我々の元へ。




鱧の焼き色に釘付け・・・。
中にたっぷり入っているのは松茸です。

味はほんと・・・もう・・・・なんていうか最高?!!
鱧・・こんなたくさん食べたこと無いです。
松茸・・これでもか・・ってくらい包まれています。

焼き方お兄さんの言うことでは、

「松茸を焼かないように火を通すことが難しい」

とのこと。

うーん奥深いね。

しばらくして鮎が来ました。
黄金色の鮎に山椒のぴりっとした甘辛いタレがかかっています。
食べたことのない味でした。
すごく刺激的で美味しかった。




箸休めのごとく出てきたのは「とろろ蕎麦」。

小さい小鉢ですが、これを口にしたときの衝撃は・・・もう忘れられません。

蕎麦・・・・美味しすぎ・・・・・・
ツユ・・・・合いすぎ・・・・・
とろろ・・・・なめらかすぎ・・・・

自家製のお蕎麦らしく、香りも歯ごたえも最高でした。
かなりびっくりです。


「MYお蕎麦ランキング」が変更されました。






上の画像は「すっぽんの煮こごりを冷やしたもの」
「銀杏煎り」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・満足はまだまだ続きます。




仲居さんが「次は御飯ですが、5種類から選べます。」とおっしゃったので、
「二種類ずつでもいいですか、少しずつ食べたいので・・・」と
答えるとあっさり承諾。

主人は「牛丼」「鰻丼」、
私は「松茸と鱧の卵とじ御飯」と「梅茶漬け」にしました。
(もう一つ「イクラ丼」がありました)

それらが用意される前に「一服」で
「生のカブラ」が登場。


シャキッとした蕪に特製の味噌が塗り込んであります。
適度な塩気が蕪の甘みを引き立ててくれます。

フルーツのよう・・・・。



満腹だったにもかかわらず、食べれちゃうんですよ!これが。

おいしすぎて涙でそう。


この牛丼に主人は感激・・・・。
画像悪くて申し訳ない。



鰻は竹茂楼に軍配があがるかな?
でも充分おいしいんですよ?

最後まで驚かしてくれるのがこのお店の良いところ。
フルーツは葡萄・柿・梨・無花果と秋の色満載。

一つ一つの味がこれまた濃い!美味しい。
無花果の甘みにほんとびっくり。
素材のみで出てきてくれたので、料理人の確かな目が伺えます。



そして和菓子は「栗最中」です。
見た目の愛らしさ・・・・そして中身はもっとかわいい。


最中の蓋?の裏には白いこしあんがぎっしり。
栗と共に白玉が・・・・。
うーん、丁寧な仕事ですね。


最後にお抹茶を頂き、懐石の全てです。





「高台寺和久傳」は想像以上にすばらしかったです。

料理もさることながら、サービス面のすばらしさが際立っていました。
仲居さんの接客態度がとても丁寧でそつがなく、嫌みもない。

おしぼりはお料理中「4回」交換してくれました。
ちょっとした湯こぼしすら毎回「自然に」拭き取ってくれましたし、
お酒も毎度、丁寧に注いでくれました。

お部屋の外で座って待機し、お手洗いの度にトイレの扉を開け、
スリッパ(ワラジのような履き物)を揃えておいてくれます。
手洗い場の手ふきは洗い立ての布巾がたくさん積まれており、
トイレに行くたび、飛び散った水のかけらすら無く、
布巾の補充も完璧になされていました。


話も聞き上手で、優しい接客だったと思います。
とてもすばらしい時間を過ごせました。

今回のお料理は一人、三万円の懐石です。
別途サービス料15%、お席料一人1000円必要です。

お値段以上の満足感を得られたのでまた足を運びたいと思います。
次こそはちゃんとデジカメを・・・・。


11月からは「蟹焼き懐石」が始まります。
38000円より・・・

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