ご主人の他界により、こちらのお店は現在営業されておりません。
※この記事に対するコメントは打ち切りさせていただいております。
氷見へ行って寿司を食べよう
あまりにも突発的な卯月の思いつき。
大阪から帰ってきて、美味しいお魚が食べたいと身体が要求していたのか?(疑)
砺波にいた私たちは車を走らせ、昼一番におなじみ「蛇の目寿し」へと入店!
暖簾はまだかかっていなかったが、どんなもんかな?と仕込み中のお店へ。
女将さんがにこやかに出迎えてくれる。
卯月「ど、どうしたんですか??女将さん、えらい痩せはって!!」
元々、ほっそりしていてチャーミングな奥様が更に痩せていた。
その上、顔色が少々悪い。お化粧を綺麗にされていてもそれが読み取れるほど。
それでも「そうですか?」と痛々しい笑顔で接する奥さん。
なんだ??
ちょっと異様な感じがしたが、取り敢えずカウンターにつく。
奥の厨房では仕込み真っ最中の大将。
「主人はまた更に痩せてますよ?」と冗談めかして答える女将さん。
・・・・え?いやいや、この間来たとき も恐ろしい痩せっぷりを見せていただいたよ。
それからまだ痩せるってあんまりないでしょ?
それとも、「繊維筋痛症」が更に悪化したのかな?
前回、「身体の事を考えて充分休養をとってください」という提案通り、
営業日を金・土・日のみとされていたお二人。
そのくらいの休養ではなんともならないのかな・・・と思った。
女将さんのちょっとした態度が気になっていたが、奥から大将がでてきた時にその理由が分かった気がした。
女将の冗談ではなく めちゃくちゃ痩せていた・・・。
唖然とした。
どうみても健常者のそれではなく・・・病人そのものだった。
しかし、前回よりは幾分か顔色が良かった気もした。
どうなっているんですか・・・という台詞も口から出てこない。
そして、なんとなく嫌な予感がこの時わいた。
大将は・・多少表情がかたいものの、笑顔で出迎えてくれた。
そこでようやくホッと一息つけたので、状況を教えてもらうことにした。
「すい臓ガンでね」
「余命宣告されちゃったから・・・」
あっけんからんと仰る言葉に頭が真っ白になり、冷や水を浴びせられた気がした。
主人も何も言えない。あまりのショックだと口が重くなるね。
「一年って言われた」
すい臓・・・言わずと知れた沈黙の臓器。
癌が発見されるのは、ほぼ末期の時。
余命一年という医者の言葉はほぼ正解と言われる。
まだ50代半ばなのに、お酒も飲まないし・・もちろんタバコもしないご主人なのに。
がっくりした・・・。
この時、本当に肩の上にどかっと漬物石が乗ってくる気分を味わった。
「母ちゃんにはね、もう好きにさせてくれって言ってあるんだよ」
何かふっきれたような口調で仰る言葉。
ご主人の性格からそれも当たり前に感じるが、横の女将さんは痛々しいくらいのダメージを受けている。
私は色々質問したが、あまり記憶にない。
主人に至っては口数少なくぼーっとしていた。
「今年の鰤は大丈夫かなと思って居るんだけどね。来年のマグロはどうかなあ・・・」
ちょっと遠い目をしている大将を見ていると
ああ、仕事していることが一番の療養になるのか・・・と確信した。
どこかふわふわした状態で頂いたお寿司。
美味しかった。
いつものキレはやはりないものの、美味しいと感じた。
にぎり加減にむらが出てきているのはやはり体重の減少からくるものだと思う。
びん長まぐろも美味しかった。
たこはいつもよりも甘みが強く、ゆで加減もよかったなあ。
↓こちらのシメサバは私の大好きなネタ。
本当に甘くていい〆加減で旨い。
ネタケースに並ぶ車エビの誘いを断ることはなかなか出来ない。
プリップリの弾力。
ほどよい甘み。
いい海老だなあ・・・美味しいわ~。
頭はカリカリに焼いてもらい、味噌を堪能。
足の一本一本がうますぎ。
大ぶりのサザエも旨いな。
コリコリ。
主人はやはりショックからか、いつもよりも少ない食欲で最後はかっぱまきで終了。
出来るだけの頻度で通いたいです。
噂をききつけて遠方から常連さん達がどんどん予約をいれているようです。
それは有る意味嬉しい・・とおっしゃる女将さんですが、
やはり忙しくなると、大将の身体が心配のようです。
一日でも長く、美味しいお寿司をにぎってほしい。
それは切実な願いですが、今は何年でもいいから少しでも長生きしてほしい・・という気分です。
コメント
びっくりですね
最近は、ガンも宣告するのが普通のようですが、すい臓ガンのように、発見されるのは、末期なようなガンは、いかがなものかと・・・・・
本人でないと気持ちの理解は、難しいです。
出来るだけ、お店に通ってあげたいけれど、負担にもなるので、難しいですね。
また、情報お願いします。
Unknown
そうですか。私の母も酒、タバコを一切やらない人でしたがこの病になりました。
私はこの病の文字を目にする度に当時の事を鮮明に思い出します。
告知された夜の事、気丈な母の笑顔。納車前の207の写真を見てまた皆で京都行こうねと言った笑顔。
私は母が言った一寸先は闇という言葉が頭から離れず今に至ります。
当時、私は周囲の人が全て幸せに見えて卑しい気持ちになっていました。
何で自分の家族ばかり、何で何でと殆ど半べそ状態でした。
しかしその後病院で他の家族の方々の凄まじい状態を幾度も目にするようになり自分を奮い立たせる
事に自然となって行きました。
あれから三年の月日が経ち避けていた思い出もやっと妻と話せる様になりました。
卯月さん、取り留めの無い事を書いてごめんなさい。
私の母は温熱療法で告知された二ヶ月より長い二年私達と居てくれました。
なんと
ちょっと言葉もありません。厳しい病気ですし。
昨年の5月に訪れる機会がありました。お昼から極楽気分の様子を見て、なかなか入手も難しいネタまでいただく事ができました。味の深さ、知り尽くしておられるのだろうと感じました。
比較的狭い商店街のなかに駐車場を確保するほどのお店の繁盛は、大変な努力の積み重ねなのだろうと思います。
言葉がありません
このお寿司屋さんの記事、ひそかに楽しみだったので
お会いしたこともないのに、私までがっくりきてしまいました・・・
お客様への責任からも、ご主人はご自分の体のことは
きっちと聞いておきたかったのかもしれませんね・・・
そんなところに職人の誇りを感じます。
ご主人が1日でも長くお元気でいらっしゃることを、
そして悔いなくお仕事をされることを祈ってやみません。
個人情報
失礼ですけど、このことは本人に断って掲載しているのですよね?
mimipapaさんへ
ご主人の気持ちが奥様にとっては辛いものになるんですよね。
でも、どちらの気持ちも分かります。
負担にならないよう、出来るだけ時間帯を考えて、中途半端な時間を避けるように予約をしたいと思います。
mimipapaさんのような常連さんも
どうぞ美味しいお寿司を食べにいってあげてください。
ジャムさんへ
それはとてもお辛い、そして尊い経験をされましたね。
お母様のお言葉、とても実感のこもったものでハッとさせられます。
私も母をガンで亡くしましたが、末期の状態の母は気丈でいて脆く、とにかく周りが何をしてあげたらいいのかわからずにいました。
でも側にいるだけ・・それが一番嬉しいことだったと、後から父に聞きました。
人間誰しも「死」と向き合うのは心細いですね。その時、大切な家族が側にいてくれることほど心が落ち着くことはないかもしれません。
kikouchiさんへ
kikouchiさんがいらっしゃったときは、まだまだお元気だったと思われます。
ガンという病は本当に腹立たしく憎らしく、どうしようもありませんね。
美味しいお寿司を今でも気丈ににぎってらっしゃる姿は、痛々しいのですがそれ以上に職人としてのプライドを感じます。
何度考えても惜しい人なので、私は私に出来る形で応援したいと思います。
megさんへ
私はmegさんがこちらに遊びに来てくださったら絶対にお連れしたいと思っていたお店です。
氷見の寿司屋の中でも安心していただける筆頭的なお店です。
大将の心、腕、誇り・・・全てが私たちは好きです。
美味しいお魚を食べたい!と心に決めたのも、こちらのお店を訪れるようになってからです。
megさんの仰るとおり、出来るだけ長生きをしてほしいですし、出来ることならガンが消え去ってほしいと強く思います。
MAさんへ
ご心配頂恐縮です。
奥様にはすでにお話しを通させていただきました。
私自身、色々考えることもありましたが
やはり大好きなお店の一つなので、こうした形で他のファンの皆様への情報提供をさせていただくことに決めました。
Unknown
こんにちわ
読んでいて胸が苦しくなりました。
すい臓ガンは沈黙のガン。
動物と比べてしまうのにお怒りになる
方もいらっしゃるかもしれませんが、
うちの愛犬はすい臓ガンで
治療の余地もなく亡くなりました。
ご主人が、お店に立たれていることから、無理をしない程度に
お客さまが運んでくれるのが
糧になっているのかもしれませんね。
そして、ご主人の大病にさぞ
大変な心境を乗り越えてお店に立っているだろう奥様にも、お客さまとの
おしゃべりがいい機会に
なっているのかもしれません。
私も応援したいです。
ご家族のご許可もらったの?いいのかな?
ご本人が言う分には良いとは思うが、たかが客の分際で。この方が私の先輩で、ちいさい時からよく知っている方だけに、このブログには不快です。
GanganGansokuさんへ
こんばんは!
いつもコメント有り難うございます。
愛犬も家族も大切なものを亡くす事は辛く重いことですね。
でもすい臓ガンは確かに厳しい病ですが、
決して諦めて欲しくないと心から思っています。
奥様の表情を見ても、それが読み取れます。
疲労がたまる分、どこかで上手く発散していただきたいと思いますが、なかなか難しいですね。
私たち夫婦はこちらのご夫婦のファンですのですごくすごく応援したくなります。
「私のの先輩なので」さんへ
初コメントでしょうか?
ようこそ。
「不快なブログ」をいつも読んで下さってありがとうございます。
その精神力には感心しますね(笑)。
ところで、貴方様は人のブログ記事にケチをつけるまえに、端から端まで文章を読むという事ができないのでしょうか?
もちろんコメント欄も含めです。
そんな無理難題とも思いませんが・・。
「たかだか客の分際」で・・と言われることには特になにも思いませんが、あなたが、たかだか「後輩」という立場がさぞ「特権階級」であるかのような物言いには 正直とても不快です。
他人様のブログに来て、これほどの暴言を吐いていかれる点に関しては素晴らしい根性の持ち主だなと感心はいたしますが・・・。
自分の気持ちを「後輩」という立場で書き殴って気分は晴れましたか?
私は貴方のような方に二度とコメントしていただきたくありませんし、理解されなくても結構ですのでこれを最後にどうぞ足をお運びにならないで下さいね。
これはお互いの為だと思いますよ。
私なら「不快なブログ」を二度と開く気にはなれませんけどね。(笑)
Unknown
卯月さんの記事を読んでどういても行きたくなって、春に初めて行ってきました。
とってもおいしくて、幸せな時間でした。
その時点で、かなり細い方でしたけど、初めての訪問だったので、何も疑問に思わず、、、
その後、ブログを見て、難病なのだと、、、
お元気になられたらいいなぁって思っていたら、この記事。
本当に言葉にありません。
人生って、切ないですね、、、
さとさんへ
初めまして!ようこそ我がブログへ。
そうですか・・春に召し上がってこられたのですね。
私もシーズン毎に行くよう心がけています。
やはり旬のネタが楽しみですからね。
きっと「さと」さんがいらっしゃった時、すでにご主人はとても辛い状況だったと思われます。
もともと、やせ形な方ですが、張りがあり職人としての眼力鋭い方でした。
病を患ってからも、眼力だけは残っていたのですが、今回はさすがに・・・。
とても悔しいです。
私に出来ることは祈ることくらいです。