ゴールデンウィーク明けを狙って予約した「徳山鮓」さん。
以前、テレビで拝見してからすごーく気になっていたお店です。
私は「熟寿司(馴れ寿司)」というものを食べたことがない上、苦手意識があったので
最初の一口は絶対美味しいところがいい!と思っていました。
「醸造学・発酵学の第一人者である、東京農業大学応用生物科学部醸造科学科教授の小泉武夫さん縁のお店で・・・」
うんぬんかんぬん・・・なるほど、ようするに発酵食品の良さをアピールするにはとても良いお店ということですね。
「徳山鮓」
滋賀県伊香郡余呉町川並1408
TEL/0749-86-4045
営業時間/11:30~14:30、18:00~21:30(要予約)
水曜休
※宿泊も可能、要予約
http://www.zb.ztv.ne.jp/tokuyamazushi/
ちなみに主人は納豆以外の発酵食品を好まない為、かなりの覚悟で予約したのです(笑)。
小矢部から約2時間弱で「木之本IC」に到着。
目的地が木之本・・・ってのは珍しく、はっきりいって滅多に下り立たないICですね。
予約の時間までしばしドライブ。
といってもガイドも前情報もなく来てしまったので、とにかく余呉湖を目指します。
お店は、余呉湖の湖畔にあります。
余呉駅は地味というか静か。
湖まで徒歩で向かうこともできます。
余呉湖の湖面はとてもおだやか。
夏場なら湖で釣りをする人も増えるでしょうね。
賤ヶ岳古戦場跡の案内図。
こんな山だらけの土地での戦いは知略が必要だっただろうなあ。
さてお腹もペコペコになってきたので、「お店」へ向かいます。
集落の端にポツンとある古民家。
なかなか素敵な門構えです。暖簾がシンプルで格好いい。
お庭も綺麗に手入れされています。
※ちなみにこのお店「宿泊」も可能です。
お店に入ると 意外にも家庭チックな玄関。
お花も綺麗に生けられていて、足に優しい無垢材の床。
扉を開けると、大きな無垢の木材で作られたテーブルが。
14,5人は腰掛けられるでしょうか。
ウッドデッキの向こうには「余呉湖」が広がります。
ウッドデッキ、いいですね。
湖からの風が感じられるし、ここでお酒を飲むのもいいな。
もう一つの小部屋?は下の画像の通り。
こちらからも湖が臨めます。
女将さんが来て、余呉の事、湖の事など世間話的に話してくださいます。
余呉湖では「ワカサギ」釣りなどもできるらしい。
冬は結構な豪雪地帯で、その分発酵食品には適しているのかもしれませんね。
さて御食事の始まりです。
まずは地元のお酒「紫霞の湖」をいただきました。
辛口・・・と書いているのですが、さほど感じませんね。
甘みと酸味のバランスがよくとても飲みやすいお酒でした。
今回のお客は二組だけ。
お互いの気配を感じながらも、話し声はさほど聞こえない位置関係です。
「鮒の胡麻和え」
「鯖 熟れ鮓(トマトソースと吉田牧場のチーズかけ)」
鮒も食べ慣れない私にとって覚悟の一口目。
う、旨い!!
胡麻の濃厚で香ばしい香りと鮒のクセのない淡泊な味。
そして歯ごたえ。
鮒の身をコーティングするかのように胡麻ダレが!
花山椒がいい刺激です。
そして念願の「鯖の熟れすし」。
香りは多少します。でも酸味の香り?だと思う。
赤いのが自家製トマトソースです。
こちらもドキドキしながら・・・。
こちらの「熟れすし」は「飯(いい)」の部分を丁寧に取り除かれています。
だからクセが少ないのだそう。
一口目は ソースやらチーズをよけて そのまんまでいただきました。
あ、これは旨いな。
塩気というか酸味というか、とにかく味が濃厚。
でもって熟成されているな~としみじみ感じる。
鼻から抜ける香りは決して嫌なものではなく、清々しいくらい。
一口目は上々。
さて二枚目はトマトソースをたっぷり付けていただく。
トマトは濃すぎず、あっさりとしたもの。
だからこそこの熟れ寿司と合うのか。
でも無くてもいいな~と酒飲み卯月は感じました。
最後、チーズをたっぷりかけて・・。
これは旨いね。チーズが旨い?吉田牧場だからか。
でもって、どちらも発酵食品だから相性は悪くない。
舌の上でこの二つが混ざると、洋風に感じます。
日本酒を飲むので、チーズは無くてもOKですがね。
「鹿肉のタタキ」
見た目だけでも想像できるけど、旨いです。
すごく上品なポン酢と共に。
「鮒の卵和え」
山葵醤油でどうぞといわれたけど、こちらは山葵いらない。
醤油を少しだけつけていただく。
旨いですよ・・・鮒。
卵もプチプチとしていい食感。
身もコリコリ。
「山菜の天麩羅」
こしあぶら 本ウド、 わらび、タカノツメ 等
驚いたのはその揚げ方。
サクっと軽く、油のよい香り。
山菜を上手に、そして香り立つように揚げられています。
これには主人も唸った。
今年はちょっと季節がずれていて、いまだに春の味を楽しめるらしい。
ありがたいことです。
「稚鮎とビワマス ミョウガ竹 ワラビなどと」
黄色いのは「発酵卵」のソース。酸味が上品です。
稚鮎の柔らかさたるや!!!
驚きです。丁寧に火を通されてるなと感動しました。
そしてビワマス!!
もっちりとした甘い身に卵のソースがよく合います。
花山椒に負けない味わい。
「鮒鮓 そしてその天麩羅」
鮒寿司は「飯(いい)付き」。
さすがにさっきのと違い、クセがありますがこの発酵した香りは決して嫌いではないです。
さわやかです。
その上、上にとろりとかけられた「日本ミツバチの自家製蜂蜜」が上手い!!
相性最高です。
そしてもう一つの「鮒寿司の天麩羅」には脱帽。
衣に閉じこめられ鮒寿司はとにかくチーズのような濃厚な風味を楽しませてくれます。
実山椒ととろろ昆布で刺激とまろやかさをプラス。
よい香りを纏って登場したのは「ボタン肉」。
そうイノシシです。
肉がやわらかく、味が濃い。
そしてバルサミコソースに黒胡椒。
目から鱗の美味しさと組み合わせ。
そして「熊鍋」がグツグツと登場。
スッポン丸鍋を使い、花山椒をたっぷり散らしています。
心もち甘めの出汁の美味しいこと。
ここまでさわやかに熊肉を食べさせてくれるお店は過去経験がありません。
そのお出汁で作った雑炊も◎。
美味しくないはずがありませんね。
最後は「ふな寿司の(飯)を使ったアイスクリーム」で御食事のすべてです。
こちらのアイスクリーム、ちょっとお目にかかれない美味しさでした。
「飯」の酸味が檸檬のような感じに・・・。
「料理人の腕」と「きめ細やかな素材達」のコラボはさすがというしかありませんでした。
発酵食品の奥深さみたいなものも少し感じました。
時期によれば「鰻」「わかさぎ」など登場するので、またシーズンを変えて訪れたいですね。
とても満足しました。
二人で18700円でした。
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