付き添い旅行~弐~

次の日も良い天気だった。
大阪の冬は晴れることが多くて助かる。
とはいえ、気温はそこそこ低く、私はモーニングを食べるため、近くのカフェに入った。

そういえば小学生の頃、日曜の朝は母に連れられ、必ず喫茶店に出かけていたな、と思い出す。
近所のサ店というサ店は全部網羅していたような気がする。
私ならわざわざ子供を連れてなど行かず、一人の時間を大切にするだろうけど・・・。
特に会話することもなく、彼女は煙草を吹かしながら、雑誌を読み漁っていたように思う。

(上)カバリエの厚切り食パンは美味しかった。


その後、墓花を買い、父と合流。
のんびりと歩きながら、母の墓所へ向かう。

大阪はまだまだ銀杏が美しく、青空によく映えていた。

寺町の一角にあるお墓は、いつも管理人さんの手できちんと清掃されていて、
今回はどうしたことか、水場の詰まりを直すため四苦八苦してらっしゃった。
いつものおばあちゃんは高齢で亡くなったらしい。
若い(・・といっても私より少し上)方が頑張ってくださっていた。

ご覧の通り、近場にお住まいなのか、他の方達も頻繁に参ってらっしゃる。
供えられたお花が活き活きとしているから判るのだ。
父はそれを気にして、去年までは一ヶ月に一度帰省していた。
それもさすがに難しくなってきていて、来年からは4ヶ月に一度が限度だと思う。

父にとって大阪は何処よりも楽しい場所。
けれど、前回(6月)の時も呟いていたが、「一人だと不安になる」らしい。

これもまた認知症患者に起こる一つの症状。
自信が失われ、唐突に心細さが襲ってくるのだ。
自覚し始めた、ということは決して悪くない。
こちらもそれなりの対応や説得を試みることが出来るから。

ほどよい散歩は気持ち良く、お互いホテルで汗を流そうと言い、別れた。
今日は別行動をすると約束していたし、父も四六時中、娘と一緒にいるのは疲れるだろう。

「夜ご飯は一緒に食べるやろ?」

と尋ねたら、

「いや、Yさんと会うから要らん」

と答えた。

初耳である。
ま、それならそれでのんびりさせて頂こう。


お昼はダナちゃんとの約束があった。

心斎橋ではお馴染みのレストラン、「アルバ」さんで待ち合わせ。

予約していた席に着くなり、「本日、トリッパのご用意は出来ないんです」と申し訳なさそうに言われ、ダメージ100。

楽しみにしていたのに・・・・。

少し後から到着した彼女もまた、同様にダメージを受けていた(笑)。

ま、気を取り直して、乾杯。
小瓶のMoët & Chandonをあけ、再会を喜ぶ。

彼女とはそろそろ22年の付き合いになるが、相変わらずパワフルで明るく、こちらの気持ちを的確に盛り上げてくれる存在だ。
何より美人だし(笑)。

母親としても、奥さんとしても、女性としても、ほぼ完璧な彼女に色々学ばされることは多く、
年齢こそ下だが、むしろ諭されることが増えてきたなと感じる。これもありがたい話だ。

美味しい肴と美味しいワイン。
昼から贅沢にプリンプリンの生牡蛎やら白子やら・・・・「ごめんね、主人」、と少しだけ思う。

特にこちらの白子(下)、ソースがピリ辛でクセになる味わい。
白子自身は甘くて最高だった。

白ワインをボトルで選び、定番、茄子のパルミジャーノ(下)を頂く。

前回の茄子に比べると厚みも味も少々落ちたが、やはり旨い。

男女問わず人気のメニュー。

杯を重ねながらの歓談。

家のこと。

家族のこと。

遊びのこと。

話題は尽きません。

当然、酒のつまみを追加。
ここはもちろん、ムール貝を選びますよね。
最近ご無沙汰だったので、嬉しい。

こちらも定番、蛸とオレンジのサラダ(下)。
きちんと真似しなきゃ・・・・。
この味、本当に好きだわ。

食って、飲んで、喋っている内に、いつの間にやらラストオーダー。
〆はイカ墨のパスタで。

昼の日中から、ここまで付き合ってくれる友人は数少ない!<当たり前だ

いつも感謝しています。

そして・・・・・・・・・

場所を変え、近場のカフェへ。

前回教えてもらった、ダナちゃんお気に入りのお店です。

そしてやはり、ワイン(笑)。(彼女はビール)

日々の細やかな(?)不満や愚痴を交え、それでも楽しさに変換出来る彼女は素晴らしい。

私もその前向きな姿勢を見習わなくては、と、強く感じました。

ここで一旦、お別れ。

一人寂しく?夕飯を、と考えていた私に、救いの手を差し伸べてくれます。

子供達のご飯を作った後、夜、再び落ち合うことに。

身体中をアルコールで満たされながら、次の楽しみを胸に、ウキウキとホテルへ戻りました。

続く・・・・・

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