うちの家は田んぼ持ちの兼業農家であります。
先祖が苦労して購入し、それを本家の方が分家に
与えてくれた物で、もちろん貴重な田んぼであります。
先人の苦労は計り知れません。
先日も本家のお宅で、そんなお話をこんこんと聞かされました。
私の主人の祖母が、田んぼの権利証みたいなものを
本家から頂いた時には涙を流して喜んだとか・・・。
「田んぼ」
現代社会においてこれほど維持が困難なものはないかもしれません。
現在うちの村には営農組合という組織があります。
その営農組合がまとめて管理しています。
営農組合の社員は聞くところによると二人だけ。
村中の田んぼを補えるはずはありませんね。
もちろん田んぼの持ち主である村人は働くことになります。
営農組合の仕事をバイト感覚でしなくてはなりません。
代掻き(田植えのために、田に水を入れて土を砕いてかきならす作業)
雑草抜き、田起こし・田植え・草刈り・水の管理・稲刈り・江浚い・江草狩り。
細々とした作業を数えたらうんざりします。
自分の田んぼだけでなく、皆で分担してお互いの田んぼの世話をみるのですが
これらの世話のどれだけ大変なことか・・・。
昨日義父と主人が田んぼにはいって、スコップで四隅に溝を掘りました。
足場はもちろん悪く、長靴はなかなか抜けないので一歩一歩が苦痛です。
小雨の降る中、ひろーい田んぼをスコップだけで溝掘り・・気が遠くなるぅ。
でも何とか田んぼ一枚完成。
私も試しに田んぼに入ってみましたが・・・・・遭難しかけました。
主人「こんなだやいことよーやるな~」
義父「こんなもん、金さえありゃ~頼むんやけど・・・」
主人「いくらよ?」
義父「10何万・・・」
主人「安いやん!」
義父「・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
義父にとったらただでさえ農家は赤字なので、それを増やしてなるものか!と
思ってらっしゃるのでしょう。
しかし・・・年間、10何万払えばこの苦労はしなくてすむんです。
私たち夫婦は思いました。
「義父の代が終わったら、素直に金出して頼もう。」
本当は田んぼも売りたいのですが、<もちろん二束三文>
先祖からの頂き物なもので・・・なかなか出来ません。
こんな苦労をしながら美味しいお米を食べています。
うちの田んぼの広さ:約3000坪
ちなみに去年の農業での収入:4万8千円
もしこれを全部家族でするとなると、想像を絶する赤字になります。
トラクター:400-600万ほど
田植機:300万ほど
コンバイン:400-600万ほど
これらの維持費は修理代合わせたら恐ろしい金額になります。
そのほか、苗を育てるハウスや、大きな納屋など・・・
金は底抜けに抜けていきます。
これだけ苦労してできる米<こしひかり>は流通価格「10kg6000円」。
旦那からの補足
10kg6000円ほどになるお米の里でこれなら10kg3500円くらいの地域の人ってどれだけ苦労させられていることか、っていう意味で書いて貰いたかった。
この辺りはまだ幸せな方なんだよね。高く売れるので。
昔は補助金などいろいろあったけど「聖域」だったコメもウルグアイラウンド以降は聖域無しということで・・・。もろ直撃でしたね。
普通に考えたら「やめればいいのに」って思うけど、みんな「うちらが辞めると国民が餓える(コメが欲しくても高くて手に入らなくなる)」って言って頑張ってます。
コメはまだマシだと思う。野菜農家や畜産業はかなり厳しい生活しているので・・・。
こういう人たちのおかげで我々は食べることが出来る=生きることが出来る、って思い知らされます
農家の事情

コメント
大変!!
田んぼを維持していくのは・・・
金銭的にも労力的にも大変
なんですね。前にテレビで田舎暮らし
に憧れて夫婦で米作りを始めたら
お金は掛かるし・・体もエライし
買った方が安い!と言うことで
ヤメタ!!と言ってました。
Unknown
田んぼを持ってる人は、自分でお米が作れていいなぁって思ってたけど、生半可じゃないですね。
小さい頃、ご飯粒一つでも落とそうものなら、「お米を粗末にすると、目が潰れるよ。」と、お米を作っていた祖母が、言っていたのを思い出します。
営農組合
こんにちは。どこかから(グルメ?)
のリンクで拝見しました。
うちは営農組合に加盟してます。小生48歳 兼業農家のあんさま(長男です)。
いろいろ負担はありますが年に10日位出役し
60万位の収入(労賃+利益の分配)があります。個人で大型機械を買わなくてもいい分いいかなと思ってます。
親から、小作だったときの先祖の苦労話を良く聞いてきたので、実際会社での立場もありなかなか有給で農作業の休みはとりづらいのですが意地で手放さないようなもんです。
グルメの話 楽しみです。
では
米騒動
よっし~さんへ
ほんと、私も全然知らなかったことです。
こちらに嫁いできて、農業の実態を思い知らされました。最近では皆、営農組合(存在する地域は少ない)のおかげで身体的な負担は軽減されたとおもいます。
しかし、納得いかないほど収入がありません。
私の家以上に田んぼを持っている家の人は
管理という点でさらに働かなくてはなりません。ほんと難しい世の中です。
愛知の卯月さんへ
実は毎年お米は営農組合から購入しております。従って、赤字は確実なのです。
村全体で出来た米は一度営農組合のものになり、それを個人の家で食う分だけ買います。
10kg3000円強
安い?か?
まあ、相場6000円ほどだからいいのかな?
最終的に、差し引いた米を農協に売るのです。
さ、どこが一番儲かっているでしょう?
呉西の阿部ジョージさんへ
ようこそ、いらっしゃいました。
ろ、60万ですか??
何故そこまで利益が??
経費差し引いてそこまであるのならいいですね。
うちは畦シートや、土改の時の負担金の返済など経費倒れ・・。
営農組合は赤字真っ最中で利益配当はありません。
経営悪いのかな?
私はまだ若いので、あまり営農組合の労役に
参加したことがありませんが、貴重な休みが
潰れるのでみなさん偉いなと思います。
また遊びに来てください。
よくわかります
卯月さん。田んぼってたいへんなのですよね!うちの実家も兼業農家です。3000坪っていう単位もよくわからない。うちの親父は今回は5反くらいつくるか~といっているので作付け面積は1500坪くらいですかね。幸い実家は総菜の商売をしているためうちで作った米は全て店舗でお弁当やおにぎりでなくなっています。もちろん産まれてこのかたお米を買った事もないですし、相場もくわしくはしりません。しかし、大学まではほとんど父母の三人で作っていましたよ。穫れ高は籾にして100俵くらいですかね。つーかなんで農機具はあんなに高いのかようわからんですね。トラクター、田植機、コンバイン、おまけにお米の乾燥機。ざっと見積もっただけでもベンツが何台かかえるような気がします。うちは赤字になったことは一度もないですが、採算が十分とれるのであれば頼みたいといつもおもってましたよ。汗 しかし、自分で作ったお米のなんとも美味い事といったらないですね。実家はもう田植えが終わって夏には稲刈りが始まります。ま、東京にいても実家のお米が食べれる(今までの味)のは幸せなのかもしれませんね。自分のブログは更新しないのにコメントはする今日この頃。爆
ふむふむ
うちもばりばりの兼業農家です。私は出来の悪い娘なのであんまり手伝わないけど,田植えや籾摺りや稲刈りはやります。その後,自分の仕事に行きます。大変だけど,そんなもんだと思ってますよ。
父は,去年の米が一等だったのが嬉しくって今年も張り切っているようです。
両親曰く,「農家は金のかかる最高のレジャー」だそうです。
機械代が半端じゃないですから。
もうけようと思ってやってないです。
最低自分が食べるものは自分で作って,あまったのは出荷するなりあげるなり,そんな感じです。
私はたんぼのあるとこにお嫁にいってる卯月さんがうらやましいですよ。
Unknown
私のようなただの消費者は、ついつい生産者の方々の苦労を忘れがちですがこれを読むと非常に感謝したい気持ちになります。
食料の6割を海外からの輸入に頼っています現在がんばって元気にがんばってほしいです
ところで、ミーコちゃんは倉庫に入り込んだネズミとか取ったりするのかな?
倉庫と家は別ですか?(^^;
ユウさんへ
みなさん、米に感謝してらっしゃるようで・・。
私たちの食生活において、野菜も肉も全て、作る人がいらっしゃって始めて成り立つものです。
農家に嫁いできて、よーく理解できるのです。
しかし、ここまで苦労して赤字??
主人が小さい頃は家族で全て作っていたらしく
そのころに比べたら飛躍的に「楽」出来ているのです。
それはユウさん所も同じでしょうね。
営農組合の経営がもしうまく出来たなら、
少しは+になるかな?
美味しいこしひかり食えるだけ幸せ??
ぺまるさんへ
農業がお好きなんですね。
というか、ぺまるさんには自然なのかな?
私みたいな大阪人は損得勘定が先走って
義父の苦労や、村人の苦労の対価が「赤字」というのはちょっと納得できませんね。
米の品質も一等でないと「何のために作ってるの?」ってな評価が下るので手抜きが出来ません。
来年くらいから、私も田んぼの手元をしなきゃならないかもしれないけど、あまりマイナス思考にならないよう頑張ってみようかな?
それより田んぼで歩けるのかが心配。
ひりゅうさんへ
(*^_^*)
義姉の家は営農組合がないので全部家族で田植えから
収穫までしていました。つい最近までは・・。
お舅さんがお亡くなりになり
結局村の人に任せることになりました。
義姉は最初、自分たちでやってみよう!と
前向きな姿勢でいましたが、旦那さまに
「よく考えてものをいいなさい。」とたしなめられていました。
それほどひどいということなのでしょうね。
農業は私を含め、都会の人が考えているほど
楽チンではありません。
でも美味しいお米を作れることは幸せなのかもしれませんね。
ひりゅうさんへ 続き
あ、うちのミーコは部屋飼いなので
寝室から一歩も出ません。
だから猫の役目は果たしてません。
生前、義母が「ミーコにはネズミ避けの手伝いしてもらわんなん」とおっしゃってましたが、
役に立たない観賞用(言い過ぎ)の猫でごめんなさい。
関係ない話
ブログのコメントとは関係ない話だけども・・・・
ママの実家の祖父が富山旅行で「かまぼこ」をお土産にもらった。
ママの妹夫婦も富山の法事に行き、お土産をもらった「かまぼこ」だった。
我が家の食卓は、かまぼこだらけ・・・
かまぼこだらけ
あはははは!!
なるほど。
かまぼこ=はびん(富山特有の言い方?)は
確かに法事・お祝い事などに
欠かせない代物。
だから切り分けられたお裾分けなども
普段から頻繁に貰ってます。
大阪から嫁いできたけれど、やはりびっくりしました。
なにせ分厚いし、でかい。
美味しいからヨシ。
うどんにいれたり、煮物にしたりと
使い切るのには四苦八苦。
バルタンさん、富山づいていますね(笑)。