私達夫婦の大好きな「蛇の目寿し」のご主人が他界されました。
覚悟していたとはいえ、その早さに言葉も出ませんでした。
このブログを見てくださっている「エリ」さんにお知らせいただけたことを幸いに思います。
おかげでお葬式に参列させていただけました。
ありがとうございました。
寒鰤を待っていました。
鰤、食べに行こうと思い、今年は何度もその美味しさを味わうつもりでいたのです。
心待ちにしていました。
身体が続く限り、お寿司を握ってらっしゃると確信していたので。
きっと、今年の鰤についてウンチクを語るだろうな・・と楽しみにしていたのです。
しかし、食べることは叶いませんでした。
もっと行けば良かった。
鰤を待つなんて・・・ご主人の命数はどんどん減っていっていたのに・・。
それでも11月の下旬まで厨房に立っていらっしゃたらしいのです。
悔しさと自分の愚かさに愕然とします。
こちらのご主人ほど、私達に影響を与えた人はいません。
魚についてもそうですが、お料理屋さんについても色々教えていただきました。
とても真面目で、真剣で、そして頑固で、素晴らしい寿司職人でした。
いつもご夫婦、二人三脚。
その掛けあいが楽しくて、今までで一番足を運んだお店となりました。
あったかい接客の奥様と、ひたすら自分の仕事に向き合うご主人。
このお二人のおかげで、氷見への足取りも軽く、そして私達は氷見を好きになったのです。
最初、「蛇の目寿し」を選んだのは主人でした。
もう8年も前のことになります。
名古屋の友達と一緒にカウンターに座ったことを今でも思い出せます。
綺麗に磨かれたカウンター。
丁寧なガリ。
あったかいお茶。
魚の豆知識。
そして素晴らしい切り口のネタ、艶々のシャリ。
びっくりしました。すごくおいしかった。
その頃は、食べ歩きをさほどしていない時だったので、余計そう感じたのかもしれませんが、
間違いなくここで「氷見の価値観」が大きく変化したと思えます。
こんなこと言うと、氷見の方は気分を悪くするかもしれませんが、
私にとって「氷見=蛇の目寿し」でした。
鰤の美味しさ、美しさ、本マグロの甘さ、白身魚の存在感・・・車エビの素晴らしさ・・
これらを教えてくださったご主人に心から感謝したいと思います。
今は、すべてが夢のようです。
ご家族にとって大黒柱であるご主人。
私達にとって 氷見の柱であったご主人。
無くしたものは本当に大きく、替えがたい。
コメント
Unknown
いつも卯月さんのブログは読み逃げで、初コメが悲しいお知らせだったので心苦しかった。
でも お知らせしてよかったです。
私を蛇の目やきよ水へいつも連れて行ってくれる氷見の友人は、蛇の目の店主の先輩でもあります。
9月に伺ったときは、
「彼女(卯月さん)には、手 抜けんがいちゃー。最初と最後らへんの握り方が違うゆーからね!(笑)」って、おっしゃってました。
11月20日
私の友人の誕生日であったため
友人の家族が、蛇の目へ行くともう片付けをしていて、
「なんでもいいから作ってくれんけー」って頼むと快く握っていただいたとのこと。
蛇の目の奥さんに、
「あれがほんとに最後の寿司やった」って言われたそうです。
行きたい店が ひとつ減ってしもた。。。
そう 友人が言います。
人って本当に亡くなってしまうんですね。
さびしいですね。
卯月さんのブログはおいしそうなのばかりなので これからも楽しみにしています。
Unknown
私はそう何回も行ってる訳ではありませんが「氷見の魚」にこだわったお店だったと記憶しています。
お寿司屋さんはネタの良さや味も大切ですが、カウンターの居心地の良さがとっても重要だと思います。そういう意味ではご夫婦の掛け合いが居心地を良くしていたお店でしたね。
寂しいですね。
卯月さんご夫妻がどんなにガックリきていらっしゃるか想像できるだけに。。
合掌
ハガキが来ないので、心配してました。
何かあったとは覚悟してましたが、そうだったんですね。
お知らせいただいて、10月に再訪したのが最後となりました。
まじめなご主人ですが、ユーモアもあって、カウンターでは、楽しくお話させてもらいました。
趣味は、仕事とマージャン?
いつも奥さんのことをかぁーちゃ~んって呼んでいたことを思い出します。
地元の行きつけの寿司屋にも、自慢してたのに、残念です。
奥さんの心労が心配です。
エリさんへ
本当に、ありがとうございました。
エリさんのおかげで後悔することが一つ減りました。主人共々、御礼を申し上げます。
エリさんに教えていただいてエピソードをきき、涙がなかなか止まりませんでした。
毎度、確かめるようにお鮨を頂くうちの主人はとてもめんどくさい客だったろうな・・。
私は最初から最後までおいしいおいしいと頂きますが(笑)。
エリさんのご友人の方も、さぞがっかりされたことでしょう。
でも最後の・・お鮨、今となっては貴重で最高のお鮨だったと思います。
とても羨ましいです。
あまりの寂しさ悲しさに、氷見への足は遠のくかもしれません。
蛇の目寿しは、私にとってそれほど大きな存在だったのかと改めて痛感しました。
最後になりましたが、いつもブログを読んで下さりありがとうございます。
これからも拙い文章をさらけ出すことになりますが、どうぞよろしくお願いします。
本当にありがとうございました。
マネージャーさんへ
地物にこだわり、魚にこだわった素敵なお店でした。
あんなお店と別れる時がくるとは露ぞ思いませんでした。
マネージャーさんの仰るとおり、カウンターの居心地はそのお店の価値だと思います。
もう、どれだけあがいても、あのご夫婦の会話を聞くことが出来ないと思うと胸が痛く、頭が重くなります。
寂しいです。
とても寂しくてすぐに涙が出ます。
mimipapaさんへ
いつも遠方から楽しみに来られていたmimipapaさんにとっても残念なお知らせとなりました。
「かぁちゃん、お茶!!」と大きな声でおっしゃっていたご主人。
「はいはい!」と元気に動かれていた奥様。
もうこの二人を見ることが出来ない。
すごく寂しいことですね。
寿司を握る姿を今でも瞼に映すことが出来ます。あのシャリ加減はもう二度と出会えない。
非常に残念です。
mimipapaさんが10月に再訪していただけたことは、すごく良かったなと思います。
しばらくは喪に服しますのでブログ更新はお休みします。
Unknown
卯月さんのブログを拝見したお蔭で、東京に住む私も一度だけ、昨年の5月に伺う事ができました。
本当に、一期一会だったのですね。
その時は、それを悟る由もなく、旅行の中の一度のランチのような気持ちでした。
そんな一見さんでしたが、お昼のコースひと渡りの後の、特別な御提案は忘れる事ができません。
kikouchiさんへ
kikouchiさんの旅の一コマに「蛇の目寿し」があることだけでも私にとってはありがたいことです。
わたし自身、まだ現実として受け止められておりません。
氷見にいけば「いらっしゃい!!」と元気な声で出迎えてくれるご主人の顔が浮かびます。
もっと長い間、お鮨を握って欲しかったです。
Unknown
言葉になりません。
ご冥福をお祈り致します。
健康ほど幸せなことはありませんね。
もう一度、行きたかった。
tunaちゃんへ
本当にもう一度食べてほしかったな
残念だけど諦めるしかない
本人が一番悔しいにちがいないんだよね。
さみしいケドネ(; ;)…マイベスト寿司屋に間違いないよ
はじめまして
はじめまして、横浜在住のうっちっちと申します。
明後日から二年振りに北陸に旅行に行くので、三度目となります蛇の目寿司さんの訪問をとても楽しみにしておりました。今回訪問するにあたってなんとなくググっていたら卯月さんのブログに行き当たり、ご主人さんが亡くなったことを知りました。
とても強くショックを受けております。
ご主人さんのお寿司にかける情熱や氷見の魚に対する愛情などが、たった二度の訪問でも十二分に伝わって来ました。
ネタケースに鎮座する見たことのない大きさの車海老を、金額にビビっていただかなかったことを今ひどく後悔しております。
風の盆の時季の鯵がとびっきり美味しかったなー!
ブログに書いていただき、教えていただきありがとうございました。また、随分前の記事にコメントすることをお許しくださいませ。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
うっちっちさんへ
初めまして!横浜からようこそ。
本当に、ブログって便利ですね。
今、改めて知りました。
うっちっちさんが氷見を、蛇の目寿しさんを訪れても
シャッターが閉まっているだけで、この訃報に皆目見当がつかなかったことだと思います。
うっちっちさんのショックはよくわかります。
私も私の主人も、未だにそのショックから立ち直れないで居ます。
氷見を訪れるたび、涙が出ます。
私にとって、氷見=蛇の目でした。
うっちっちさんの思い出に少しでも残っていることが本当によかったなと感じます。
ネタケースの車えび、いい色してました。
うちの主人は誘われるままに食べていました(笑)
そう、あの時期の鰺は絶品でした。
ご主人は自信をもって提供してくださいましたね。
想い出は積もるほどありますが、今はただ虚しいだけです。
うっちっちさんの今回の旅が楽しく、心に残るものでありますように・・・。
もう7回忌なんですね。
今でも記憶に残っている大将の声
「かあちゃーん、立山常温!」
本当に懐かしい思い出です。
JUNさんへ
毎年、年賀状のやり取りだけはさせて頂いています。
氷見を訪れる度、大将の話が口をついて出ます。
もう七回忌・・・
そんな月日が経っているのに、舌の記憶とはすごいもので、いつまでもあの美味しいお鮨が再現できます。
それ以上に、大将の声が聞きたい。
蘊蓄が聞きたい。
そして・・・・旨い寒ブリが食べたい。
もう手の届かない夢です。